本来なら、命懸けの戦いや陰謀が当たり前だった。
けれど、那須暁翔は平和な日本で公立高校へ入ったばかり。
異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~1ことで、思わぬ冒険を繰り広げる!?
主人公最強のハーレムもの
平凡な日常を送る、異世界で主人公を張れる男子。
那須暁翔の高校ライフは、夢の一人暮らしで始まります。
やっぱり主人公は強くあるべき!
那須暁翔のモデルは、『魔法科高校の劣等生』のお兄さま、司波達也です。
作中で、ほぼ最強!
「感情があるお兄さま」と言うべきか……。
生まれ育った現代社会を含めて、けっこうトラブルが多い世界観。
よく異世界へ転移する癖があるものの、暁翔はあまり気にしていません。
彼にとっての日常なので!
国立第一魔法学校という『魔法科』をモチーフにした世界もあり、これは暁翔のルーツでも!
『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』のテーマは、異世界への散歩です。
喜怒哀楽はありますが、わりと気にせずに、自分の世界へ帰ろうとします。
高校生活を部室に限定したのは成功
主人公の那須暁翔は、梶ヶ丘東高校の文芸部にいます。
漫画研究会と比べて高尚っぽく、どこでも見かける陰キャの巣窟。
その気になれば、暁翔は高校で一代派閥を築けます。
陽キャの中でも上澄み。
けれど、本人はうわべだけの付き合いを好まず、『涼宮ハルヒの憂鬱』のSOS団のような部室に入り浸っているだけ。
クラスの中で誰もが気にしていて、女子はお近づきのチャンスを窺う。
しかし、舞台となるのは狭い部室。
この設定は、上手くいきました。
やっぱり、奇をてらわずに、王道を歩むべきです。
最強だから散歩するだけで無双
前述したように、那須暁翔はよく異世界へ転移します。
本人にも制御できておらず、自動的に帰れることが多いから、散歩するぐらいの感覚。
暁翔は、モデルとなった司波達也の名残で、冷静沈着。
射撃、格闘戦のどちらも、プロ顔負け。
異能バトル、巨大ロボットの戦いが当たり前の異世界へ行っても、無双します。
本人のスペックと運が高いことは、言うまでもなく。
何よりも、常に冷静で、「待っていれば帰れるだろう」の守備重視が大きいです。
出会いにも恵まれていますから……。
住んでいる現代日本は、暁翔にとって異世界。
揺り戻しのような転移が、その歪みを正しているのでしょう。
色々な世界のヒロインと会う
主人公が住んでいる現代日本と、転移した異世界による冒険!
どちらかと言えば、異世界にヒロインがいます。
元ネタの犠牲者がどんどん助かる
この『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』は、元ネタで犠牲になるヒロインを助けることがテーマです!
モデルとなった世界観は、以下の通り。
- 魔法科高校の劣等生
- マブラヴ オルタネイティヴ
- 機動戦士ガンダムSEED
現代日本のエピソードは、以下の作品に影響されました。
- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
- エロマンガ先生
- 涼宮ハルヒの憂鬱
- フレームアームズ・ガール
- 零 紅い蝶
- ファイナルファンタジー
「主人公を降板した那須暁翔が、同じくモブの女子を助ける」
縛りがなくなったことでの大暴れ!
再評価された異世界クロスオーバー
『佐々木とピーちゃん』のように、現代日本と異世界のクロスオーバーが再評価!
しかし、読者を混乱させないためか、ファンタジーな異世界が1つだけ。
いっぽう、この『異なる世界と行き来する少年~』は、他の有名作品を揶揄しているわけで。
間違っても、商業ベースにのせられない……。
「別の世界にある兵器、スキルによって無双する」
これは、『小説家になろう』の根源。
転生による神様チートと同じく、読者を良い気分にさせる舞台装置です。
私の場合は、もう開き直り、4つの世界を股にかけています。
魔法と巨大ロボットが現代日本にも現れ、自我を持ったAIまで!?
梶ヶ丘東高校での平凡な日常も。
若い男女がヤラない道理はない
主人公を最強にした場合、ヒロインの扱いで悩みます。
なぜなら、格好いい主人公に惚れない道理がなく、やがてHするのが自然だから。
『佐々木とピーちゃん』の場合は、冴えないオッサンの佐々木が主人公。
名前がないことから、モブと分かります。
どんどん魔法を覚えていき、現代日本と異世界のどちらでも認められていく流れ。
周りには色々な美少女、美女が集まり、どんどん懐かれていくものの、手を出さず。
強くても鈍感難聴にする必要がなく、まるで親子のような関係。
すぐ叩かれる昨今に見合った、性欲のない主人公です。
『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』はそういった禁欲を求められず、自然な成り行きに任せました。
高校生で一人暮らしは珍しい
那須暁翔は、高校進学と同時に一人暮らし。
オートロックがあって、カードキーによる施錠と、けっこう良さげな物件です。
毎月の生活費だけでショート
正直なところ、高校生の一人暮らしは非現実的!
毎月の生活費はどれだけ節約しても、15万円です。
食べ盛りの男子であれば、「食事をおさえる」というだけで大きなストレスに……。
東京の郊外でも、単身用マンションなら家賃5万円はします。
とはいえ、暁翔の実家はお金持ちで、ポンッと払っているようです。
ヒロインが増えるたびに、仕送りが増えていく!?
一時的に金欠でバイトするエピソードはありますけど。
暁翔が「女子にモテる」というだけの話。
「主人公がバイト漬けで、学業や部活との両立を頑張る!」
作品によっては苦労話もありますが、『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~1』の主旨から外れるので……。
ヒロインとの半同棲に最適
ラブコメでは、男女の同棲がよくあります。
何かしらの事情による巻き込まれで、『異なる世界と行き来する少年~』の場合は「異世界からの迷い人」です。
前述したように、那須暁翔の実家はお金持ち。
出オチとなる1人目のヒロインも、輪をかけての富裕層です。
それゆえ、彼が暮らすマンションに分散する共同生活へ!
とあるヒロインは、一緒の物件です。
明らかに特別で、その延長線上としてのエンディングにも!?
ヒロインが多すぎたものの、やっぱり金持ちキャラが1人いると便利♪
金と権力で、細かい問題を気にせずに済みます。
一世を風靡した『けいおん!』の琴吹紬と、同じです。
ラブコメでは保護者が邪魔!
男女の距離が近づくのを邪魔するは、自宅の保護者!
もはや、若さに嫉妬しているだけ?
ラブコメでは、保護者を外国に滞在させることが多く、今作も同じ!
けれど、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、逆転の発想でしたね?
リアルの高校生活は、「自宅では家族や保護者、学校では先輩後輩、先生」という四面楚歌。
すぐ噂になるため、同じ部活、クラスメイトと言い訳しなければ、やっていけず。
放課後の制服デートも、後になってから気づくことが多い。
那須暁翔は一人暮らしで、隣との防音もバッチリ!
金持ちでマンションの管理人のJKもいるし、紛うことなき勝ち組!!
スクールカーストで外れたポジ
那須暁翔は、微妙なポジションの公立高校に通っています。
いわゆる、真面目くんが多い環境です。
グループから外れつつも人望がある
クラスで大人しい那須暁翔は、陽キャの集団とは無関係。
本人の主観では、「文芸部の部室にいればいい」という感じです。
前述したように、イキりヤンキーがおらず。
「俺モテるから!」の主張が強いリーダー格による牽制ぐらい。
そちらと敵対しなければ、毎日の勉強が大変というだけ。
同じ文芸部にいる男子の視点では、わりと人気者という評価。
暁翔が「ひっそりと暮らしたい」と望んでいるから、好意を抱いている女子も眺めるだけの構図。
人気の男女が集まった陽キャの一員となれば、もっと気苦労が多い日々でしょう。
実際に元陽キャの男子がいて、文芸部でのんびりしています。
イジメが成立しない微妙なバランス
イジメは悪いこと。
しかし、自分の身を守ることも必要で、那須暁翔はその条件を満たしています。
クラスのリーダーの視点では、以下の通り。
- 敵に回すと、周りで敵が増えてしまう
- 自分のグループにいない
- 狙っている女子と付き合う可能性が低い
- 公平で鉄槌を下すほどではない
- そいつに目立つ功績がない
那須暁翔は、パワーバランスの外にいます。
文芸部だから、競争の激しい体育会系とは別口。
女子に人気があっても、クラスでは事務的な対応だけですし……。
『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』でも、暁翔がネットリンチから現実の制裁になりかけたタイミングで、密かに想っている女子たちがフォローしていました。
けれど、そもそも女子に話しかけておらず、主なグループにいなかったことが大きいです。
文芸部という陰キャの退避場所
『涼宮ハルヒの憂鬱』でも、長門有希がいたのは文芸部。
その部室をSOS団として乗っ取られ、本人も参加することに……。
文芸部も、入賞や中間選考によるマウント合戦になりますが。
ゆるいところは、陰キャの退避場所に!?
『異なる世界と行き来する少年~』の文芸部は、まさにSOS団が占領した部室そのもの!
公立高校の小会議室なんぞ、どこでも同じですが。
異世界転移だけではなく、現代社会でも色々なトラブルに巻き込まれます。
そのため、文芸部に敵を作らず、「彼らは信頼できる味方」というポジションに。
キリが良かったので完結
始まりがあれば、終わりもある。
しかし、文芸部にいる那須暁翔たちは、今後も変わらぬ日常を送るでしょう。
ヒロインを全て救ったからエンディング
『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』は、2巻目でENDを迎えました。
登場させたヒロインを全て救い、当初の目的を達成したから。
これを早いサイクルにしたのが、『とある魔術の禁書目録』です。
しかし、登場したキャラを退場させる気はなく、こちらは完結に……。
主人公の那須暁翔には、彼女ができました。
話を続ければ、2人の関係を揺さぶることになり、そちらの意味でもNG。
投げっぱなしの打ち切りエンドではなく、見事な完結です。
他の作品にも言えますが、「キャラが幸せに過ごしていく」というENDを心がけています。
敵を出したら必ず始末するスタンス
『異なる世界と行き来する少年~』で意識したのは、敵を必ず始末すること。
主目的はヒロインの救出ですが、彼女たちに自分の世界がある以上、そちらを救うことも大事。
自分の世界を捨てて、那須暁翔が住んでいる現代社会を選んだヒロインもいますが……。
ともあれ、暁翔と半同棲のヒロインたちは、自分の強みを活かしての参戦!
巨大ロボット、宇宙戦艦、魔法、まさに何でもアリ!!
主人公の暁翔だけでも、かなり強いです。
ヒロイン勢揃いとなった最後のエピソードは、もはやギャグシーンとしか思えない。
異世界の兵器などを目の当たりにした現代社会は、困惑するばかり♪
登場キャラが多すぎて放流した感じ
私には、どんどんキャラを増やしていく癖があります。
パーティーメンバーとなるヒロインの数が増えたら、完結せざるを得ない。
那須暁翔はオープニングから最強ゆえ、尚更。
そもそも、「ラノベ1巻分の10万文字」になれば、作品が終わるタイミングです!
『異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~』については、2巻目までかかりましたが……。
無理に引き延ばさなくていいのは、同人の強みですね!
マルチメディア展開をしている商業だと、売れた作品は編集部が手放しません。
2024年には、ハーレムものが下火。
「特定のヒロインと仲良くなりつつ、サブヒロインに囲まれる」という物語がマストです。
だからこそ、『異なる世界と行き来する少年~』には希少価値があります。
他では読めない、古典となったハーレムもの。
異なる世界と行き来する少年はその数だけ少女と出会う ~違う世界だから超遠距離の恋愛~1で、いくつもの異世界へ迷い込むスクールライフを送ってみませんか?