宇宙美少女とゾンビが夢のコラボ!?いずれにせよ人類は大迷惑だ!

文明崩壊後の日本から、こんにちは!
ゾンビ VS 宇宙美少女~社会崩壊した日本でユースティアたちが遊ぶ~1は、群像劇です。
登場するキャラが片っ端から退場していく世界っていう……。

リアル系で描いたアポカリプス

執筆した理由は、不朽の名作『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の影響です。
未完になったことが、本当に悔やまれます。

宇宙美少女の勢力というチート

宇宙から降ってきた、ユースティア。
この時点で、勝ち確!
「日本のアニメが大好き」というだけで、人類を救う義務も思想もありませんけど……。

すでに地球を支配できるほどの軍団で、完全な出オチ。
しかし、ユースティアは共感性に乏しく、生き残っている人々にも他人事。
モデルは、『あおはがねのアルペジオ』のイオナです!

技術チートのため、彼女は銃を使っています。
見た目は華奢きゃしゃな少女ゆえ、妥当な判断かと。
火力が必要なら、ドローンやロボットを使えばいいのですし。

出せば勝利するジョーカーで、彼女たちが登場したら解決します。
人類については、ペットのような感覚。
「気に入ったら面倒を見るし、噛みつくようなら捨てる」というだけ。

軍と警察は初動が遅れてしまう

東京純台女子校(以下、純女じゅんじょ)のエピソードで描きましたが、警察はゾンビと相性が悪いです。
「ひとまず拘束する」という性質上、どうしても後手に回ります。
暴徒になった集団を止める方法は、学園黙示録のように、せいぜい放水車ぐらい。

日本陸軍の舘川基地のエピソードでは、指揮系統が寸断された分隊。
下士官の駒村峻が優秀なため、士気を保っています。
もっとも、5人は分裂せずに助け合える最大値ですね。

『ゾンビ VS 宇宙美少女』では、軍や警察の悪人がいません。
悪役はもう十分で、味方サイドを増やすため。
しかし、個別に動いている状況ゆえ、彼らはたいした成果を上げられず。

1巻では他の部隊を登場させず、それぞれの拠点でのドタバタ。
チラッと触れましたが、他にも多くいます。

自分の性と引き換える安全

どれだけ綺麗事を並べても、女の性には価値があります。
現代でも、最後の手段。
まして、パンデミックで文明崩壊となれば……。

同じく純女の話ですが、男に守ってもらうには代価が必要。
女に都合の良い、「言葉だけで誤魔化す」という方法は通用しません。
我慢できずに力づくとなれば、後はそれが当たり前に!?

<アトリア>と名乗ったユースティアの集団は、技術チート、物量チートです。
それゆえ、『がっこうぐらし!』に権力者を足したような状況も、あっさりと乗り切りました。
さもなければ、天文部の女子たちは性欲のはけ口。

ともあれ、自分の意思を残して、無差別を避けるには、特定の男を選ぶのみ!

ゾンビより怖い人間

意志を持たずに、人を食らう。
ゾンビは恐ろしいですが、それ以上にまだ無事な人間が怖い!

人間は縋らないと生きられない

自分の意思を強く持てる人は、少数派です。
大半は何かにすがり、その決定に従います。

それは学校や軍といった所属であり、カリスマのある指導者。
フィクションでは扱いにくいが、人種、信仰も、それに含まれます。

普段は隠していた本音が剥き出しで、三大欲求と言われている睡眠欲、食欲、性欲も。
前述したように、女が自分の性を提供して男に縋ることは、自然な流れ。

集団で助け合うとなれば、結束力を高めるために、相手を交換することも!?
個人を捨てて、昔に逆戻りです。

閉鎖空間における村社会

3人集まれば、政治が発生します。
これは、人数が少ないほど、より苛烈です。

日本の惣村そうそんは、まさに村社会。
住んでいる人々だけで完結して、隣村ですら敵!
全員が協力しつつも、ガス抜きを兼ねて村八分による締め出しも。

『ゾンビ VS 宇宙美少女~社会崩壊した日本でユースティアたちが遊ぶ~1』は、近代まであった惣村を描いています。
それだけだとストレスが溜まるから、悪人は因果応報と……。

つまるところ、ゾンビ物が廃れないのは、「堂々と始末できる」の大義名分があるから。
シラフでやれないけど、必要に迫られたら良いよね?

極限状況でも闘争はなくならず

リアルの選挙戦では、地方のリーダーを決めることが大変です。
トップは知事で、地元密着では市長。

降ってわいたパンデミックで、既存の仕組みが通用しないとなれば……。

ユースティアたちの日本は、かつての権力者が居座っています。
安全な場所に引っ込み、今までの上下関係を強いている構図。

かろうじて、旧文明の秩序にすがっていた状態。
もう少し時間が経てば、権力者たちが報復に遭い、武力を持つリーダーが仕切りました。

暴力装置なしの統治はあり得ない

『ゾンビ VS 宇宙美少女』とありますが、主に生存者とのいさかいです。
これまでの秩序が崩れ去り、人々は混乱するばかり。

最終的には暴力で黙らせるしかない

国家としては、軍。
社会秩序を維持する警察。
自治体では、有志による自警団。

規模の違いはあれども、「いざとなれば暴力を振るう」という点が共通!

<アトリア>と名乗ったユースティア達も、その1つ。
宇宙スケールの武力で、日本社会のサバイバーを統率していきます。

美少女のユースティアですが、人を始末することに躊躇ためらいはなく。
数回の警告をした後に、あっさりと保護した人物も消します。
これは、「どれだけ美少女でも、人とは違う宇宙生物」という描写です。

理念と物資のどちらも必要

ユースティア達に、「こうしていきたい!」という理念はありません。
オタク文化を求めているだけで、ゾンビを倒し、安全エリアを広げているだけ。

ただし、もはや失われた生産ラインを持ち、<アトリア>の物資を提供しています。

「ペットを飼うように、ただ与えるだけ」
前述した武力と合わさり、ユースティアに逆らう者は排除され、その他は従順。

けれども、長期的にはやっていけません。
人類のリーダーを確立して、<アトリア>に依存しない体制を築いていくことが必須!

パニクるだけの人類

『ゾンビ VS 宇宙美少女~社会崩壊した日本でユースティアたちが遊ぶ~1』でリーダーがいるのは、それぞれの拠点だけ。
通信ができず、物資の奪い合いのため、お互いに手を取り合うことは不可能。

ユースティアの気まぐれで、ネット配信は復旧しました。
皮肉なことに、自宅で引き篭もっていた個人が、まだ無事な結果に……。

洋ドラの『ウォーキング・デッド』(The Walking Dead)でも言われましたが、「下手に大勢でいるほうが危ない」ということ!

人数が多いほど消費する水と食料が増えるうえ、ゾンビや悪漢に見つかりやすい。
泊まる場所も、厳選しなければいけません。
仲違いによる分裂、足の引っ張り合いも考えたら、1人のほうが安全かも?

ウイルスが原因の場合は絶望

ゾンビ発生の原因は、ウイルスか、オカルトです。
前者の場合は、一定以上に広がった時点で、ほぼ絶望……。

土壌と水が汚染されたらアウト!

『ウォーキング・デッド』でも、突っ込みがありました。
そもそも、土壌と水が汚染された時点で、打つ手なし!

ユースティアの場合は、原因が分からないまま。
人間ドラマを描くための舞台装置ゆえ、ここを深掘りする意味はありません。

『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』でも、主人公たちが逃げ惑うだけ。
生きるのに必死で、「この原因を探ろう!」とはならず。
いっぽう、『がっこうぐらし!』の女子高生たちは、ご都合主義もあり、その核心に迫りました。

土壌と水をクリーンにするのも、技術と物量チートがある<アトリア>なら可能!
ただでさえ、うつ展開になりやすいゾンビ物ゆえ、全てをひっくり返せるように。

チートなしのゾンビ物は全滅する

一般人のままでは、全滅します。
良くて、主人公と一部のサバイバーだけが、次の安全な場所へ!

ゾンビ物は、「どんどん犠牲を出していく」という前提。
それゆえ、キャラに愛着の湧きやすい小説とは、相性が悪いのです。

全員を救うことは、不可能です。
その悲劇を見ながらも、自分たちにやれることをやる……。

『ゾンビ VS 宇宙美少女』は、ユースティアを始めとした、美少女グループ。
彼女たちが修学旅行のノリで見物しつつ、あるいは、救っていきます。

集団の中に発生するグループ

作中で登場するのは、立て籠もれるだけの敷地。
生存者たちが、明日をも知れない生活です。

  1. 賃貸マンション
  2. 軍の基地
  3. コンビニ
  4. 学校
  5. 洋館
  6. 市役所
  7. 警察署
  8. 大学

地球に降り立ったユースティアは、1番の賃貸マンションに陣取ります。
復旧したネット配信で、生き残りとチャット!
全ては、ここから始まりました……。

共通点は、多くの人を収容できて、安全を確保できるだけの設備があること。
また、誰もが見つけやすく、社会的な信用も!

けれど、集まった人々の中でグループが発生して、派閥争いに繋がります。
飲み水にすら事欠き、プライバシーのない生活が続けば、モラルは消え失せるのです。
溜まるだけのストレスを発散するためにも、敵が必要。

男子高校生という主人公ポジ

ユースティアたちは、ドローンなどの機材を含めて、絶対的な存在です。
それゆえ、普通の男子高校生から見た、ポストアポカリプスも!

学校から脱出するのが無理ゲー

八王太学園の授業中に、断末魔の悲鳴。
それが、日常が崩れ去る合図だった……。

濱ノ上はまのうえ颯真そうまは、仲のいい友人たちと脱出を図るも、屋上へ追い詰められることに!?

『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』と同じ状況です。
ただし、こちらはユースティアたちがいて、学校を出るまでが最大のデッドポイント!

東京純台女子校と比べて、ハードモード。
マイクロバスの中での派閥争いを避けるため、自分たちだけで生きることに!
銃火器を入手できたのは、ご都合主義です。

余所者を犠牲にしていくだけ

普通の高校生たちは、生き残った人々の拠点へ行くも、非情なまでの格差。
あとから飛び込んできた余所者は、かつての村八分、ワンランク下の扱いになります。

ポストアポカリプスで避難民を受け入れるのは、一部の主義者だけ!
それ以外は、学校、警察署、市役所のように、避難できるだけ場所に集まった有象無象。
濱ノ上颯真たちが限界を迎えるころ、<アトリア>の1人と出会います。

<アトリア>の物量、技術チートがなければ、けっこう悲惨でしたね……。

銃火器チートを得た高校生グループは、とある事情で旅立ちますが。
超能力を省けば、やっぱり銃は扱いやすい。
『ゾンビ VS 宇宙美少女』はリアル路線で、この組み合わせは良かったと思います。

サバイバルで市街地に留まるべきか?

『ゾンビ VS 宇宙美少女』は、チートの宇宙美少女がいました。
そのため、もう力づくで復興するけど、彼女たちにその義理はないっていう……。

外宇宙から訪れた知的生命体にしては、わりと理解があるほうです。
ちゃんと、話を聞きますし。

作中では、滅びたとはいえ、まだ原型を残している東京の中心地。
けれど、パンデミックによる崩壊となれば、島や山中へ逃げたほうがマシかも!?

ただ、そういう孤立した場所だと、人間関係がキツそうです。
リアルでも、昔は炭焼き小屋、陶芸のかまがある山奥ぐらいは、独特な雰囲気。
島も、濃密な人間関係ですし。
余所者として犠牲にされるよりは、都市部を選びたい。

ゾンビと宇宙美少女のラノベは、ゾンビ VS 宇宙美少女~社会崩壊した日本でユースティアたちが遊ぶ~1でどうぞ!