今のラノベが売っているのは、物語ではありません。
応援したくなるほど、魅力的なキャラ!
売れたラノベを比較すれば、その条件に気づける!?
男主人公にしなければヒットせず!
女主人公もいいですが、大ヒットするには男主人公!
なぜなら、3つの理由があるから。
男女のどちらにも支持される男主人公
男主人公は、男女どちらにも支持されます。
いっぽう、女主人公は同性にだけ。
ラノベの主人公は、読者のアバターだから!
男性に変身願望はあっても、「女になりたい!」と思わず。
女主人公を「可愛い」と感じても、それは性欲。
決して、そのキャラになりたいわけではありません。
その証拠に、週刊少年ジャンプの看板作品はどれも男主人公。
少女漫画、レディースコミックが上回ることはなく、ニッチな分野のまま。
男性は精神的なBLを敬遠する
男性が女主人公を毛嫌いするのは、「女として恋愛やHをするから」です。
精神的なBL(ボーイズラブ)になってしまう。
男から女になったTS主人公には、「男と恋愛をしない」という不文律があります。
そうでなくても、恋愛要素を省く。
『蜘蛛ですが、なにか?』で、TSキャラが女に目覚めるシーンがありました。
けれど、その性癖を受け入れるのはマイノリティーで、最初から狙うのはやめたほうが……。
ともあれ、気前よくお金を払うのは男性。
彼らにそっぽを向かれたら、その時点で終わります。
強い敵と戦うのはやっぱり男の役割
男が考えた女主人公は、上手く刺さる場合があります。
現代ラノベの始祖である『スレイヤーズ』は、リナ=インバースが冒険しました。
全体的に、ギャグ調。
今のなろうとは違う準最強で、男女ともに支持。
男主人公だったら、ここまで売れなかった。
『ロードス島戦記』のような、西洋ファンタジーからの脱却。
「あの日で弱くなる」という描写もありますが、恋愛のムードにはせず、セクシャルも最小限。
剣と魔法によるバトルが、最後まで続きました。
『シャングリラ・フロンティア』のサンラクのように、強敵と戦うのは太古から男の役割。
アーサー・ペンシルゴンのような女性キャラはいても、主役は男性のほうがしっくりきます。
差別と区別は、違うのです。
解決するべき目標と日々のタスク
ラノベは、RPGのゲームと同じ。
目の前の敵をやっつけて、最後はラスボスを倒すのです。
最後に解決するべき目標を示すことで緊張感
読者をつかむために、「主人公はこの問題を抱えている!」という提示。
オープニングで登場するなど、倒すべき相手をアピールします。
苦しむ主人公、または、ヒロインを見ることで、感情移入。
WEBの文化で、当てのない放浪、エログロを目的とするケースもありますが……。
魔王に滅ぼされる直前のように、程度の差はあれ、主人公は弱い側。
あるいは、主人公が周りと比べて弱い。
そのハンディをどのように乗り越えていくのか?
これが、ラノベの醍醐味ですが……。
日々のタスクをこなすことでレベルアップ
今できることを繰り返し、新しい武具やスキルを手に入れる。
『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』もありますが、王道があってこそ!
なろうが敬遠されたのは、このパートをすっ飛ばしているから。
WEBはすぐにブラバですから、苦戦するのは最初の1話だけ。
そのルールを守らないと、専業でゆうゆうと暮らす作家ですら、ランキングに入れません。
ワトスンがシャーロック・ホームズと出会う前に、読者はゼロに!?
『銀河英雄伝説』も、ヤン・ウェンリーが奇策を披露する前に打ち切り。
今のラノベ業界では、まともなストーリーを作れません。
積み重ねたスキルや人脈でラスボスを撃破
日本のRPGは、プレイヤーが育てたパーティーで決戦へ!
対して、なろうは2話から逆襲。
WEBで流し見するラノベと、自宅などで腰を据えて読むラノベは、別物。
ライブ感だけで進み、矛盾やおかしい言動をするのは、更新とウケを重視した結果。
小説投稿サイトは煮詰まり、公募による10万字で再起するしかありませんが……。
大手の出版社ですら、投稿サイトを頼る。
コンテストを委託しており、煮詰まったカレーのような蟲毒から拾うのみ!?
大成功したラノベをチェックしていく
これまで売れているのは、10年以上前の作品ばかり。
どれも、男主人公です。
IS 〈インフィニット・ストラトス〉
ハイスピード学園バトルラブコメ。
主人公の織斑一夏は、どのヒロインからもISを身につけた状態で殴られています。
せっけん枠(当時の学園ハーレム)の1つで、その中で大成功しました。
空中を飛び回るISの戦いは面白く、ハーレム主人公でありながら男女ともに高評価!
原作はラノベですが、アニメで大ヒットしたパターン。
逆に言うと、「プロが扱いやすい題材を提供すれば、ラノベの役割は終わる」という話。
最終13巻は出ないようで、ソシャゲの『アーキタイプ・ブレイカー』がエンディングに……。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
大賞クラスの名作を出していた小説サイト、Arcadiaの1つ。
円形都市オラリオとそこのダンジョンだけで続く、異色のファンタジー!
ランク制のレベルにより、過度なインフレを避けました。
主人公のベル・クラネルは、最弱から急成長。
短期間で強くなる理由づけも上手く、無垢なタイプとして鼻につかない努力型。
ソシャゲの『ダンまち〜メモリア・フレーゼ〜』による補完が成功し、長期シリーズに!
同じ場所での群像劇は、他の作家が真似できない領域。
今の焼き畑農業でこういった名作を育てるのは、もう難しいですね……。
Re:ゼロから始める異世界生活
なろう産だが、特別扱い。
異世界に転移したナツキ・スバルが、愛しのエミリアたんを守る!
記憶を残す死に戻りだけで、チートスキルを持つ奴らに挑む。
「絶対になりたくない主人公」を連続防衛で、悲惨なのは変わらず!?
人を選ぶものの、異世界ファンタジーの「何でもあり!」を活かした名作。
スバルだけが普通の人で、情報収集をしたあとの死に戻りが続く。
どんどん人間を辞めていくのは、ご愛嬌。
女主人公が売れない理由を学ぼう
いくらでも挙げられる、男主人公の名作。
対して、女主人公で「これが凄い!」といえるのは数えるほど……。
「薬屋のひとりごと」は例外中の例外
売上ランキングの上位には、『薬屋のひとりごと』が常連!
「ほら、女主人公でも売れるのよ!」と言いたくなりますが――
他には、『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』ぐらい。
異世界恋愛は、たまに週間ランキングに出て、すぐ消えます。
前述したように、男は女主人公を敬遠するため。
ラノベ市場の半分を占めている男性をなくした、縛りプレイです。
逆に言えば、そのナイトメアで売れまくっている薬屋が異次元!?
異世界恋愛は常にワンパターン
2015年から幅を利かせてきた、異世界恋愛。
けれど、「婚約者が信じられないほどバカで、周りとザマァ!する」というだけ。
多少の捻りはあれど、男主人公の異世界転生・転移のようなネタにすることも無理。
ザマァする相手は、自分の婚約者か、旦那。
溺愛系なら、作者の一押しキャラだけ、異常なまでに優遇されます。
完結することが多く、非常に分かりやすいものの、やっていることは男下げ。
悪役令嬢も一緒にやっつけますが、「男って馬鹿よね?」と救いを与えることも……。
男性に喧嘩を売れば、無料ですら読まれず。
以前にランキングの仕組みを変えた『小説家になろう』は、そのせいで大幅にPV(ページビュー)を下げた模様。
女性はすぐに共感するがお金を出さない
ワンパターンの異世界恋愛は、お金になりません。
誤魔化せない売上ランキングを見れば、嫌でも分かります。
WEBですぐに評価するのは、女性。
ランキング上位に入りやすいけど、いざ書籍化、コミカライズしても買いません。
そこは、シビア!
逆に、男性ファンはお金を出してくれます。
そもそも、家族を養っているケースが多いわけで……。
物語としても、男主人公のほうが作りやすい!
女主人公が色々な男に愛想を振りまいたら、ただの尻軽ですし。
お金を払ってくれる人を大事にする
昭和の戦後は、一億が同じ方向へ。
けれど、マスコミの影響力がなくなった社会では、お金を払う人が大事です。
声が大きいアンチを気にしても百害だけ
スマホのSNSでは、膨大な呟きがあります。
しかし、そのトレンドは1日、長くても数日で終わるもの。
声が大きいアンチを気にしても、何のメリットもありません!
たとえば、『異世界はスマートフォンとともに。』が代表的。
どんどん嫁が増えていく、清々しいほどのハーレム♪
ご都合主義や「女性をモノ扱い!」と嫌う人がいますが、買わない人たち。
相手をしてやる必要もなく、その一方でハーレム好きな男性が買います。
それぞれの性癖を追及する時代にあっては、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』のように老若男女を問わずに愛される作品は出ません。
男性向けを気に入る女性がいても逆はいない
前述したように、男性向けでこそ、万人に好かれます。
女性は「好みを集め、それ以外を排除する」という巣作りが本能で、そちらをファーストすれば碌なことになりません。
2020年代のアニメは、女性向けのなろうが増えてきました。
ただし、以前に『小説家になろう』が異世界恋愛に染まり切って、時間差で発生しただけ。
色々なイケメンが気遣う逆ハーレムは、男性にとって苦痛なだけ。
「俺はこのタイプだから、それに成り切って主人公を楽しませるぞ!」という思考は、皆無。
むしろ同じ女性が槍玉に挙げるんですよ、この逆ハーは。
性欲をなくした男は、女の相手をしません。
医者も言っている話で、そこを切除した「女性向けのなろう」は男性にとっての苦行。
応援している女ですら「いつものテンプレ」と見なし、表向きは肯定して評価するも、お金は出さずと……。
理想としては「女にウケる男主人公」
『魔女の旅々』のイレイナは、20巻を越える旅です。
けれど、女の性を感じさせる終盤で、やはり男性主人公のほうがいいのでは? と思えました。
その点では、性的な要素を省いた『キノの旅 -the Beautiful World-』が上手い。
異世界恋愛の主人公は女で、良くも悪くもシンプルです。
その話は、また別にするとして――
ラノベは魅力的なキャラを売っているため、男主人公で女性ウケをしなければいけません。
「性的な描写をおさえて、不快感をなくす」といった配慮を……。
女主人公のケースでは、男性に配慮しません。
恋愛はゴールが明確で、「虐げている家族との離縁」といった目的を達成したら、そこで終わり!
せっかく人気が出ても、続編を書きづらいこともネック。