なろうで多く見られる、TS主人公!
「男と女の性質をあわせ持つ、完全生命体♠」と言いたいですが。
実際は、どっちつかずで不人気というオチに!?
TS主人公とは女体化した男性
TS主人公は、男から女の肉体になったケースを指します。
逆のパターンは、基本的に対象外。
男性のメンタルのままで女体化
重要なことは、男性のメンタルのまま!
心も女になった場合は、TS主人公と呼びません。
ラノベ、漫画は、何らかの問題を発生させることが大事で、その手段の1つ。
『らんま1/2』が有名で、主人公の早乙女乱馬は水をかぶるたびに女体化。
逆に言うと、それ以上の意味はありません。
ジェンダーの不一致を啓蒙するわけではなく、男女平等を意識させるわけでもなく……。
体の構造や狙われやすい関係で、女性のほうが大変!
何も知らない乱馬は、そういった苦労を味わっていく。
現代と異世界ファンタジーのどちらでも
女体化は、舞台を選びません。
現代であっても、「実験の失敗」などの理由をつけられます。
『君の名は。』は、男女の入れ替わり。
これはTS主人公に含まれず、一時的な変身を楽しんだぐらいの話。
『山田くんと7人の魔女』でも、ヒロインと体が入れ替わるエピソードがあります。
TS主人公の醍醐味は、「女になってしまった困惑と体の仕組み」に尽きます。
言わば、エロです!
正当な理由があるから、トイレのやり方などを聞いてもおかしくない。
そのための舞台装置。
TSの原因が転生かどうかで異なる
男性にとって負担がかかる、女体化!
その原因で、ストーリーが大きく変わります。
早乙女乱馬のように一時的で、戻る条件が分かっていれば、気にしなければ済む。
けれど、前世の記憶があるパターンは厄介!?
女として生まれたのなら、基本的な生活は大丈夫。
「それで悩むの?」という話ですが、男性のメンタルのまま……。
神様チートが嫌いな人でも、前世に培った技術の持ち越しなら大丈夫!
そのままでは捻りがないから、美少女へ。
男キャラとの恋愛は精神的BL(ボーイズラブ)ゆえ、対象は同じ美少女のみ。
アニメ化まで達成した作品から学ぶ
TS転生と、現代の一時的な性転換。
なろうは前者が多いものの、受け入れられやすいのは後者です。
賢者の弟子を名乗る賢者
TS転生の代表格!
「わし、可愛い」という決め台詞で、中身がジジイの美少女が旅をします。
青年によるゲーム世界への転生で、元の爺さんもアバター。
異世界ファンジーのTS転生は、なろうで1つのカテゴリ。
出オチゆえ、ワンパターンの繰り返しになりがち。
これは、頑張っているほう。
2024年2月、シリーズ累計250万部を突破!
お兄ちゃんはおしまい!
現代で女体化した兄に対して、妹が世話を焼く。
自然な流れで女がどのように過ごしているのかを描いている、コメディ。
最初から漫画で、WEB小説のような過剰さをオミット。
絵面だけを見れば、美少女2人によるバディ物で、いやらしさは皆無!
2023年12月、累計120万部オーバー。
あやかしトライアングル
呪いによる女体化。
友達以上恋人未満の女の子がいて、現代ファンタジー。
こちらも漫画で、TSで美少女になった元男子と複雑な思いを抱く幼馴染が活躍する。
むろん、主人公を男に戻すことが大きな目標。
2022年1月、累計100万部を突破。
らんま1/2
呪われた早乙女乱馬は、水をかぶると女体化。
お湯をかぶれば、男に戻る。
TSに分類されるが、多くのキャラが変身することで印象は薄い。
よく乱闘になるが、どのキャラも武術を修めており、組手や演舞へ。
対等に戦っている印象が強く、天道あかねやシャンプーは暴力ヒロインに含まない。
2021年6月、累計5,500万部オーバー!
恋愛要素を入れたらBLフィールド発生
文字でTS主人公を描くことは、難しい。
主人公に強く感情移入するラノベは、性転換のような状態になるから……。
中身を男として描き続けることが大事
女体であれば、事情を知らない人は女と見なします。
周りのキャラがそのように扱うため、中身を男として一貫させる!
主人公の視点から眺めることで、読者を混乱させず。
他の人物によるサイドエピソードも、やめておく。
なぜ、主人公を意識させないのか?
第三者から見ると、主人公は美少女でしかないから。
TS転生と知らなければ、近くにいる男は異性として見る。
それは、読者のBLに他ならず!
バトルと冒険を連続させよう!
男のメンタルを持つメリットは、魔王を倒せるぐらい勇敢であること。
美少女は「でもでもだって!」と言わず、男らしい決断や行動。
TS転生をラノベでやるには、強敵とのバトルや冒険をするのが一番!
今のピンチを脱することに集中すれば、TSの矛盾は気にならず。
同行しているパーティーを客観的に見ながら、旅を続ける。
余計なことを考えず、やっていられないほどの逆境。
RPGのごとく、より強いボスが立ちはだかる。
男と接する時間は最小限で2人きりはNG
最大の敵は、恋愛対象になる男!
可能性だけで読者に敬遠されるため、TS主人公は若い男と2人きりにしない。
「呪われている」のように、避けられる理由を作っておこう!
『天才王女と天才令嬢の魔法革命』の百合ファンタジーにするのも、一つの手。
なお、アニスフィア・ウィン・パレッティアは、TS転生ではない。
「美しく、さっぱりした性格で、地位や資産もある」
これだけの条件がそろえば、周りの男はどんどん求婚します。
どれだけ自然に断ち切れるか? で、TS主人公の成否が決まる。
変身願望を叶えても必要性に乏しい
TS主人公は、変身願望。
魔法少女のように、条件を満たしたら女体化もありますが……。
つかみはいいが長期的にやるのは大変
正直なところ、出オチ!
読者がブラウザバックしたがる投稿サイトで、人気にするため。
長期的なストーリーには、あまり向かず。
中身が男だから、女体の神秘という展開にしやすい。
周りのキャラと一線を引かなければ、前述したように精神的なBLへ!?
読者と作中のキャラの2つで、主人公の定義に困ります。
男の精神に美少女の体は、矛盾している。
バ美肉はあれど、そちらはバーチャルですから……。
『水戸黄門』のように同じパターンか、流浪の旅を続けて特定のキャラと親しくならないか。
二択になってしまうのが、TS主人公の定め。
男の作家が書きやすいのもメリット
女の心理を考えずに執筆できる!
中身が男だから、その視点で考えることは自然です。
『悪役令嬢転生おじさん』も、似たような発想。
考えている人が中年だから、無理に女を描こうとせず、開き直って自分を出した。
男よりも美少女を出したほうが、画になります。
漫画やアニメで、美少女だけに♪
女の声優を使えば、前世が男でも、それほど拒絶反応はありません。
恋愛対象になるキャラを寄せ付けない理由としても、有効。
中身が男だから、同性はNGと……。
TS主人公も最後は結婚と出産!?
TS主人公は、その功績に見合った報酬をもらいます。
けれど、リアル美少女としての受肉だから……。
活躍するほど恋愛や結婚から逃げられず
TS主人公が活躍するほど、周りが放っておきません。
「惚れたから、俺の女にする!」
「あれほどの力、ぜひ我が家に入れたい」
「息子にも、そろそろ良縁を……」
理由は色々でも、結婚&出産のコンボ!
特に、ナーロッパは中世の欧州であって、貴族なら10歳で婚約者が決まる。
女主人公は、どれほど優秀で美しくても、スパダリに見初められなければ負け組。
その呪縛によって、TS主人公もカースト底辺に!?
けれど、中身が男でズブッと貫かれたら精神的なBLの完成という、絶望的な二択……。
呪いなどの巻き込まれは男に戻るだけ
現代社会で女体化していたなら、最後は男に戻ってハッピーエンド!
こちらは、非常にシンプル。
『らんま1/2』は、変身して戻ることが多く、女体化のインパクトが薄い。
時代的に乳首も出ていましたが、そんなにエロく感じず……。
コミックは小説と違って、ライト。
人物の心理描写がなく、さらっと流せる場面が続くだけ。
なろうでTS主人公は注目されるが、長く続けられるネタではない。
コミカライズで色気を出そうにも、中身は男ですし。
炎上しやすい社会では難易度が高い
小説投稿サイトは、アングラ。
内輪で楽しむ分にはいいですが、世間に出せば、一気に騒がれます。
『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』もセンセーショナルだが、あれは1人の女子を救う話。
たとえば、ヒロインの荻原沙優がTSした結果なら、荒れるどころでは済まなかった。
オリンピックでも男性が女の競技に出て、物議を醸しました。
女性の権利が対等以上になったから、人権屋はDEIのような別のネタに移ったのです。
すぐに炎上する社会で、TS主人公は扱いづらい。
『らんま1/2』は、何でもありの昭和だからヒットしたと言えます。
叩きやすい敵を探している連中に目をつけられたら、今は簡単に潰される。